特集 ペット咬創への初期治療と機能・整容の改善[3]-顔面の組織欠損を伴うイヌ咬創(2)口唇以外-
耳垂欠損を伴うイヌ咬創の1例
漆舘 聡志
1
,
福嶋 学
,
樋口 彩子
,
飯田 圭一郎
,
和田 尚子
,
齊藤 百合子
,
三上 誠
,
横井 克憲
1弘前大学 形成外科
キーワード:
イヌ
,
外科的皮膚弁
,
咬傷と刺傷
,
頭部外傷
,
耳介
,
保存的療法
,
耳形成術
Keyword:
Bites and Stings
,
Surgical Flaps
,
Craniocerebral Trauma
,
Conservative Treatment
,
Dogs
,
Ear Auricle
pp.396-402
発行日 2021年4月10日
Published Date 2021/4/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2021212506
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17歳女性。右耳垂欠損を主訴とした。飼い犬に咬まれ、脱落した耳垂を持参せず前医を受傷した。創部の止血と洗浄、耳垂基部の縫合、破傷風トキソイドと免疫グロブリンおよび抗生物質の投与が行われた。受傷後6日に耳垂再建目的で当科紹介受診となった。右耳垂が全欠損し、軟骨が露出していた。外用剤等による保存的治療で受傷後1ヵ月に軟骨露出部が上皮化し、二期的に耳垂再建術を行った。受傷後11ヵ月に初回手術を施行した。耳垂断端の瘢痕を切除し、これにより露出した軟骨を、耳後部皮下を剥離して埋入した。初回手術後3ヵ月に二回目手術を施行した。耳後部に露出した軟骨を埋入する皮膚ポケットを作成し、軟骨をポケットに埋入した。耳後部に加えて尾側の皮弁を挙上し、健側耳甲介からの軟骨移植を行った。二回目手術後1ヵ月に耳後部の皮膚の歪みに対し修正術を施行した。二回目手術後8ヵ月の現在、良好な耳垂形態を維持している。
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