投稿論文 症例
膀胱破裂を起因として腹部壊死性軟部組織感染症を呈した1例
北口 陽平
1
,
渡邊 敏之
,
木股 敬裕
,
山川 泰明
1岡山大学病院 形成再建外科
キーワード:
コリネバクテリウム感染症
,
Escherichia coli
,
大腸菌感染症
,
壊死
,
外科的皮膚弁
,
デブリードマン
,
多剤併用療法
,
腹部
,
膀胱造瘻術
,
禁制型代用膀胱
,
Daptomycin
,
軟部組織感染症
,
細菌培養
,
Levofloxacin
,
腹壁形成術
,
新膀胱形成術
,
腹部CT
,
膀胱破裂
,
Corynebacterium striatum
Keyword:
Escherichia coli
,
Escherichia coli Infections
,
Abdomen
,
Surgical Flaps
,
Daptomycin
,
Urinary Reservoirs, Continent
,
Necrosis
,
Cystostomy
,
Debridement
,
Drug Therapy, Combination
,
Corynebacterium Infections
,
Soft Tissue Infections
,
Abdominoplasty
,
Corynebacterium Striatum
,
Levofloxacin
pp.340-347
発行日 2021年3月10日
Published Date 2021/3/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2021174075
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83歳女性。腹部の発赤・水疱形成と無尿を主訴とした。事故で骨盤と腰椎を骨折し、前医で内固定術が施行された。受傷直後に血尿が出現し、術後に無尿となり腎機能障害を呈した。透析後、腹部に紫斑と水疱形成が出現し、CTで蜂窩織炎と診断された。デブリードマン後、感染が深筋膜に及び、壊死性軟部組織感染症と診断された。壊死組織の除去後も排膿が続き、当科に紹介された。細菌検査でEscherichia coli等が検出され、抗生剤を投与したが、受傷後24日に腹直筋前鞘の融解、腹直筋の一部壊死を認めた。デブリードマンを行ったところ、恥骨周囲の腹膜後隙に尿道カテーテルの先端が露出し、周囲に膀胱粘膜を認めた。膀胱損傷を受傷時に合併していたと判断し、膀胱の修復と膀胱瘻の造設を行った。腹壁の組織欠損は前外側大腿皮弁と大腿筋膜張筋皮弁の連合皮弁による再建を行い、腹膜欠損は外側広筋膜で被覆した。術後経過は良好である。
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