発行日 2010年10月1日
Published Date 2010/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011003851
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症例1:65歳男。40歳時に2型糖尿病と指摘され3年前よりの薬物療法を中断していた。全身倦怠で受診し、炎症反応高値、膿尿、CTにて気腫性腎盂腎炎で入院した。糖尿病の合併症として、網膜症、両下肢感覚障害・深部腱反射消失を認めた。血液・尿培養よりKlebsiella pneumoniaeが検出され、CTで左腎の上下極に気腫を伴う皮質の破壊像を認め右腎は萎縮していた。補液・速効性インスリン持続静注投与で体液・血糖コントロール後に抗菌薬meropenemを投与し、経皮的左腎ドレナージ術を施行し、第12病日に左腎瘻抜去した。症例2:46歳女、34歳時に2型糖尿病と指摘されていた。糖尿病性ケトアシドーシス、尿路感染で入院後、インスリン治療導入のため通院中であった。炎症反応高値、膿尿、CTにて両側気腫性腎盂腎炎で入院した。両下肢感覚障害・深部反射消失を認め、血液・尿培養よりE.coliが検出され、造影CTで両側腎盂・腎杯周囲に気腫像を認めた。症例1同様に体液・血糖コントロール後にimipenem/cilastatin投与を行い一時的に改善したが再発熱し、造影CT・DIPで左上部尿路の閉鎖機転が示唆された。経皮的左腎瘻造設を行い、経過良好で第17病日に腎瘻抜去した。
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