投稿論文 症例
頬骨に生じた粘液線維肉腫の1例
木下 史也
1
,
山下 昌信
,
黒瀬 望
,
島田 賢一
1金沢医科大学 形成外科
キーワード:
頬骨
,
骨切り術
,
骨腫瘍
,
生検
,
X線CT
,
免疫組織化学
,
拡散MRI
,
線維粘液肉腫
Keyword:
Bone Neoplasms
,
Immunohistochemistry
,
Zygoma
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Osteotomy
,
Biopsy
,
Diffusion Magnetic Resonance Imaging
pp.222-228
発行日 2021年2月10日
Published Date 2021/2/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2021157805
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症例は42歳男性で、右頬部腫脹を主訴とした。造影CTで右頬部に内部が不均一に造影され骨破壊像を伴う病変を認め、MRIではT1強調像で低信号・T2強調像で高信号を示した。悪性骨腫瘍の可能性を考え、頬骨前頭縫合~下眼窩裂、下眼窩裂~上顎骨前壁、頬骨弓の3ヶ所を骨切りし、頬骨と腫瘍を一塊に摘出し、さらに腫瘍と隣接した頬骨前頭縫合部頭側の前頭骨、頬骨裏面の軟部組織、眼窩外側壁も追加切除した。病理組織学的所見では、クロマチンに富む異型紡錘形細胞の増殖を認めたが粘液成分が優位で核分裂像や壊死は認めず、免疫染色でHHF35とαSMAが弱陽性であった。腫瘍は骨内に限局し、low-grade粘液線維肉腫と診断した。術後3年が経過して局所再発は認めず、頬骨の欠損による右頬部に陥凹変形を認めるが機能的障害は生じていない。
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