発行日 2005年3月1日
Published Date 2005/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005154775
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72歳男.4ヵ月ほど前から労作時の息切れを自覚し症状が増悪したため近医を受診,胸部CT像にて左肺実質内に巨大な腫瘍と胸水貯留を認め,血性胸水の増加に伴い貧血と呼吸状態が悪化したため左肋間動脈・気管支動脈塞栓術と胸水穿刺を施行した.全身状態が改善後に施行したCTガイド下針生検にて骨肉腫と診断されたため紹介入院となった.入院時胸部CTでは内部に石灰化または骨化を伴う辺縁が不整な巨大腫瘍を左肺に認め,胸部MRIでは左胸腔内は腫瘍と胸水で充満し,内部は壊死像を呈していた.入院後直ちに化学療法を計画したが全身状態が急激に悪化し入院10日後に呼吸不全のため死亡した.剖検所見では腫瘍は30×22×12cm,重量3120gで,腫瘍内部には嚢胞部と実質部が混在し一部に壊死部も認めた.右肺および他部位には腫瘍を認めず,本症例は左肺原発骨肉腫と最終診断された
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