投稿論文 症例
術中止血困難を契機に軽症血友病Aと判明した小耳症の1例
須貝 明日香
1
,
四ツ柳 高敏
,
原田 二郎
,
北田 文華
,
権田 綾子
,
山内 誠
,
山下 建
,
齋藤 有
1札幌医科大学 形成外科
キーワード:
組織移植
,
血液凝固第VIII因子
,
血腫
,
血友病A
,
Rurioctocog Alfa
,
先天性小耳症
,
肋軟骨
,
腹部CT
,
耳形成術
Keyword:
Factor VIII
,
Tissue Transplantation
,
Hemophilia A
,
Hematoma
,
Congenital Microtia
,
Costal Cartilage
pp.215-221
発行日 2021年2月10日
Published Date 2021/2/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2021157804
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症例は10歳男児で、生下時より左耳甲介型小耳症を認め、耳介形成希望で入院した。血液検査でAPTTの延長を認めたが術前は問題とせず、右肋軟骨移植による耳介形成術を行った。耳介に関しては術中問題を認めなかったが、肋軟骨採取部の軟部組織・軟骨膜の止血が困難であったため、ペンローズドレーンを挿入して閉創した。問診で昔から鼻血が止まりづらく皮下出血も多かったことが判明し、術後の精査にて第VIII因子活性27%と低下を認め、先天性血友病Aと診断した。術後6日の採血検査にて貧血を認め、CT検査にて肋軟骨採取部の皮下・筋層下に広範に血腫形成を認め、遺伝子組み換え第VIII因子製剤補充療法を計13日間行い、術後25日に退院した。肋軟骨移植術6ヵ月後に耳介挙上術を予定し、手術日より7日間アドベイトを投与し手術は問題なく終了した。移植皮膚も良好に生着しその後2年経過観察にて問題なく経過している。
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