発行日 2011年9月1日
Published Date 2011/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012061435
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68歳男。約5年前より誘因なく右第4趾末節部の腫脹と疼痛が出現し、3年前より同部の爪の変形が生じた。初診時、右第4趾末節部に爪の変形を伴う腫瘤を認め、X線で右第4趾末節骨の片側に骨透亮像を伴う変形と淡い石灰化を認めた。CTでは骨皮質の欠損、骨破壊および骨欠損部に石灰化像を認めた。腫瘤はMRIのT1強調像で低~等信号、T2強調像で高信号を示し、病巣の骨外進展を認め、ガドリニウム造影で増強効果を認めた。右第4趾末節骨に発生した骨腫瘍を疑い手術施行し、病理組織学的所見で腫大した核や二核細胞、腫瘍細胞の既存骨梁への浸潤を認めた。組織学的にgrade 1(G1)~G2の軟骨肉腫と診断した。術後より荷重歩行を開始し、術後8ヵ月の現在、再発や転移は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2011