発行日 2013年2月1日
Published Date 2013/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2013151499
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42歳女。左股関節痛を主訴とした。単純X線で寛骨臼に骨硬化を伴なった骨透亮像を認め、MRIでは寛骨臼にT1強調像で低信号、T2強調像で低信号を示す腫瘤があり、切開生検で骨平滑筋肉腫と診断した。治療は篠原の報告に準じ、股関節側方アプローチで寛骨臼に達し、腸骨および恥骨・恥骨基部で病変を一塊として広範切除を行った。再建としては、中空スクリューを用いた股関節固定を行った。術後に転移や局所再発はなかったが、骨癒合は得られず、徐々に大腿骨頭は臼底の中心に突出し、左股関節痛が増悪した。術後3年で臼蓋周辺部の移植骨はある程度癒合したものの大腿骨頸部骨折を認め、強い股関節部痛が出現して来たため、臼蓋を同種骨移植で再建し、人工股関節全置換術を行った。これにより股関節部痛は完全に軽快し、初回手術から15年後の現在、転移や再発はなく無病生存中で、補助具なしで独歩可能である。
©Nankodo Co., Ltd., 2013