発行日 2005年10月1日
Published Date 2005/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006036253
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75歳女.右膝関節部の疼痛と腫脹を主訴とした.右大腿遠位外側部に腫脹,圧痛,硬い腫瘤を認めた.単純X線像では右大腿骨遠位部に骨硬化と透亮像が混在し,外側および後方の骨皮質を破壊する像を認めた.骨シンチグラムでは右大腿骨遠位のほか,Th8に集積像を認めた.胸部CTでは径約5cmの結節影が多数散在していた.切開生検では,腫瘍は幼弱な類円形や紡錘形を示し,分裂像や壊死に加え,腫瘍性の類骨形成を示す部分もみられた.一部には赤い細胞質を持つ横紋筋肉腫様の組織像を持った部分が存在した.骨肉腫と診断し,年齢,腎機能,転移巣(肺・胸椎)を考慮して原発巣に放射線療法を行った.右膝関節痛は軽快,腫瘍は縮小し,単純X線像では骨硬化の増強を認めた.しかし,肺・胸椎の転移巣は拡大し,麻薬による疼痛管理を施行中である
©Nankodo Co., Ltd., 2005