発行日 2005年1月1日
Published Date 2005/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2005090500
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60歳男.永久人工肛門損傷を主訴とした.1年前,進行直腸癌で腹会陰式直腸切除術,永久人工肛門造設術を施行された.今回,小型飼い犬の咬傷による人工肛門損傷に気づき,受傷から約10時間後に受診した.人工肛門の腸管断端は,皮下埋没縫合部口側約1cmの部分が約1/2周性に完全に離断されていた.離断された腸管粘膜はやや暗赤色調を呈したが,漿膜面からの出血や離断血管も認めなかった.明かな辺縁動脈,両側直動脈の損傷はないと判断し,1期的に離断腸管全層縫合術を施行した.縫合後の腸管は指示指1本が十分に通過した.縫合当日から排便,排ガスを認め,2日後から排便に対する不安は解除され,ストーマバッグを装着した.3日後には損傷前と同様の排便が可能となり,縫合術後10ヵ月の現在,明かな合併症は認めず,QOLの低下もない
©Nankodo Co., Ltd., 2005