投稿論文 症例
ストリングテスト陽性のクレブシエラ・ニューモニエによる壊死性筋膜炎を発症し全身に膿瘍形成した1例
田中 美奈
1
,
芝岡 美枝
1六甲アイランド甲南病院 形成外科
キーワード:
Ceftriaxone
,
クレブシエラ感染症
,
寒天
,
胸筋
,
骨髄疾患
,
MRI
,
デブリードマン
,
膿瘍
,
皮膚移植
,
筋膜炎-壊死性
,
筋皮弁
,
細菌培養
,
糖尿病性合併症
,
胸部CT
Keyword:
Abscess
,
Bone Marrow Diseases
,
Agar
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Skin Transplantation
,
Klebsiella Infections
,
Pectoralis Muscles
,
Debridement
,
Ceftriaxone
,
Fasciitis, Necrotizing
,
Diabetes Complications
,
Myocutaneous Flap
pp.1449-1453
発行日 2020年11月10日
Published Date 2020/11/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2021050819
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
59歳男。受診の1週間前から37~40℃台の発熱があり、受診3日前に自己判断で右前胸部に鍼治療を行った。その後、右前胸部痛が出現し救急搬送された。右鎖骨部~胸部に発赤・腫脹・熱感・握雪感を認めた。胸部CTで右胸部皮下と大胸筋裏面および第2・3肋間筋内にair像を認めた。臨床経過と検査所見から胸部壊死性筋膜炎と診断した。第1病日にデブリードマンを行い、創部は開放のまま洗浄処置を継続した。抗菌薬治療として第1~3病日はクリンダマイシンとフロモキセフを投与していたが、第3病日に創部培養でストリングテスト陽性のクレブシエラ・ニューモニエが検出されたため、感受性結果を考慮してセフトリアキソンに変更した。また、第3病日に造影CTで肝膿瘍を認めたが、抗菌薬投与で経過観察とした。血液検査上の炎症反応は改善傾向にあったが、第7病日に左上肢の筋力低下と排尿障害が出現し、頸髄造影MRIで脊髄内膿瘍と診断、専門治療を要するため高次医療機関へ転送した。
Copyright© 2020 KOKUSEIDO CO., LTD. All Rights Reserved.