問題点の検討
G群溶血性連鎖球菌による壊死性筋膜炎
若杉 正嗣
1
,
小泉 雅裕
,
大塚 寛
,
荒井 勝光
,
保坂 登
,
倉石 達也
1新潟県立中央病院 整形外科
キーワード:
抗細菌剤
,
ショック-出血性
,
デブリードマン
,
鼠径部
,
皮膚移植
,
Streptococcus Infection
,
筋膜炎-壊死性
,
致死的転帰
,
Streptococcus dysgalactiae
Keyword:
Anti-Bacterial Agents
,
Debridement
,
Groin
,
Streptococcal Infections
,
Shock, Hemorrhagic
,
Skin Transplantation
,
Fatal Outcome
,
Fasciitis, Necrotizing
pp.1379-1382
発行日 2016年12月1日
Published Date 2016/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2017097323
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症例1(91歳男性)。施設入所中に発熱、呼吸困難、右手関節痛が出現し、救急搬送となった。所見では右手背から前腕に紫色化と水疱形成が拡大し、血液培養でG群溶連菌を認めたことから、G群溶血性連鎖球菌による壊死性筋膜炎と診断した。右手背の壊死皮膚の切除と前腕背側の皮膚切開、抗菌薬投与やDIC治療などの集学的治療を行い、創治癒が得られた。症例2(83歳女性)。左足関節~下腿前面に腫脹と水疱形成を認め、内科を受診後、整形外科へ紹介となった。初診時、左大腿~下腿に広範囲にわたる水疱形成を認め、細菌培養にてG群溶連菌が検出され、G群溶血性連鎖球菌による壊死性筋膜炎と診断、大腿切断術が施行された。術中大量輸血を行い、抗菌薬治療を開始したが、循環不全のため翌日死亡となった。尚、この症例2で救命できなかった要因としては、水疱出現からすでに3日経過しており、全身状態の悪化も重なり、発症後の経過が長かったことが考えられた。
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