発行日 2009年8月1日
Published Date 2009/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2009328903
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49歳女。患者は右乳癌に対して胸筋温存乳房切除を受け、病理組織診断は浸潤性乳管癌、腋窩リンパ節転移陽性、エストロゲンレセプター、プロゲステロンレセプター陽性であった。術後に化学療法を希望せず、LH-RHアゴニスト、tamoxifenの投与を受けていた。再発の徴候がなく、以後、腹直筋皮弁による乳房再建術を受けた。しかし、CTで再建乳房尾側の皮下組織内に不整な濃染域が認められ、針生検で局所再発と診断された。腫瘍は限局性であり、再発巣の切除術が施行された。切除断端は癌陰性であり、厳重に経過観察していたものの、CTで初回手術部位よりも約10cm尾側の右残存腹直筋内に不整な腫瘤が確認された。形状・臨床経過から再発と考え、周囲の腹直筋と筋膜を含めて腫瘍を摘出しが、胸椎への転移が出現し、目下はbisphosphonate製剤の投与が行われているが、局所に関しては再発徴候を認めず、外来通院中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2009