特集 壊死性軟部組織感染症-私はこうして治療した-
腎移植後に発症した壊死性軟部組織感染症の2例
長谷川 祐基
1
,
櫻井 裕之
,
伊東 大
1東京女子医科大学 形成外科
キーワード:
壊死
,
下腿
,
術後合併症
,
腎臓移植
,
前腕
,
ブドウ球菌感染症
,
軟部組織感染症
,
下腿筋
,
腎機能障害
,
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌
,
STIR法(MRI)
,
筋壊死
Keyword:
Forearm
,
Staphylococcal Infections
,
Leg
,
Kidney Transplantation
,
Necrosis
,
Postoperative Complications
,
Soft Tissue Infections
,
Methicillin-Resistant Staphylococcus aureus
,
Renal Insufficiency
pp.983-993
発行日 2020年8月10日
Published Date 2020/8/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2020373437
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症例1(71歳男)と症例2(45歳男)は透析歴および糖尿病、末梢動脈病変のほか、クローン病あるいは尋常性乾癬の既往があり、当初蜂窩織炎として加療されたため、壊死性軟部組織感染症(NSTI)の診断に至るまで数日間を要した。腎移植からNSTI発症までの期間は16年と4年で、いずれも比較的安定している時期に発症しており、起因菌はいずれもメチシリン耐性黄色ブドウ球菌であった。症例1は免疫抑制薬を同量で継続、症例2は減量し、集学的治療と積極的デブリードマンにより救命できたが、2例とも創傷治癒傾向に乏しく、最終的に大切断に至った。2例のNSTI発症要因としては併存疾患やステロイド治療などが、また、創傷治癒遅延の因子としては免疫抑制薬治療と末梢動脈病変による血流不全が考えられた。
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