特集 美容医療の合併症から学ぶ[3]-乳房増大術ほか-
アクアフィリング🄬およびアクアリフト🄬による乳房増大術後の合併症各1例
森山 壮
1
,
牧野 陽二郎
,
川端 優也
,
渕之上 祐子
,
兒玉 浩希
,
宮脇 剛司
1東京慈恵会医科大学附属柏病院 形成外科
キーワード:
ドレナージ
,
抗細菌剤
,
術後合併症
,
洗浄療法
,
掻爬術
,
デブリードマン
,
X線CT
,
乳房形成術
,
乳房疾患
,
ブドウ球菌感染症
,
細菌培養
,
腫脹
,
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌
,
Polyacrylamide
,
充填材
Keyword:
Staphylococcal Infections
,
Anti-Bacterial Agents
,
Therapeutic Irrigation
,
Mammaplasty
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Postoperative Complications
,
Drainage
,
Debridement
,
Breast Diseases
,
Curettage
,
Methicillin-Resistant Staphylococcus aureus
,
Polyacrylamide
pp.539-545
発行日 2020年5月10日
Published Date 2020/5/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2020276484
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症例1は27歳女性で、アクアフィリングによる乳房増大術後約1年の授乳中に乳房の疼痛を自覚した。乳腺炎の診断で治療されるも改善せず、CT画像で膿瘍貯留が疑われたため、排膿およびデブリードマンを行い、抗生剤の投与と連日の洗浄により臨床症状は改善した。症例2は22歳女性で、アクアリフトによる乳房増大術後約1年8ヵ月に乳房の疼痛を自覚した。乳腺炎は否定的であり、術後約2年にアクアリフトを除去し、疼痛は消失した。2例とも術後1年以上経過してからの合併症であり、症例1は授乳から逆行性に感染し、人工物に感染が波及したと考えられた。2例とも皮膚を大きく切開して直視下に注入剤を確認した上で、生理食塩水で洗浄しながら全面を鋭匙などで掻爬する必要があったが、いずれも単一の層に注入されていたため、除去は比較的容易であった。
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