発行日 2012年6月1日
Published Date 2012/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012294310
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症例は44歳男性で、17年前に左膝内側側副靱帯再建術を行っていた。バイク走行中に転倒して脛骨プラトー骨折(AO分類タイプC3)を認め、関節面外側・後方が陥没していた。関節面を整復し人工骨を充填してロッキングプレートにより固定し、前十字靱帯付着部の骨片はワイヤーで固定した。術後2日から発熱が続き、関節液からメチシリン耐性黄色ブドウ球菌が検出された。持続灌流でCRPは陰転化し灌流チューブを抜去したが、抜去孔から排膿が持続し、術後2ヵ月でプレートと人工骨を抜去して死腔内へバンコマイシン含有リン酸カルシウム骨ペースト(CPC)を充填した。しかし創周囲の腫脹を認めて膿が吸引され、内側人工靱帯を抜去してCPCを入れ替えたが再燃した。初回術後9ヵ月にCPCを抜去して腓腹筋弁移行術を行い、挙上した腓腹筋内側頭を皮下のトンネルにくぐらせて脛骨内側の骨孔より死腔内へ引き込み、脛骨外側へプルアウト縫合した。術後8ヵ月経過し感染再燃はない。
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