特集 美容医療の合併症から学ぶ[3]-乳房増大術ほか-
シリコン注入乳房増大術後にGuillain-Barre症候群様症状とサルコイドーシス様病変とを発症したヒトアジュバント病の1例
前波 芳周
1
,
松下 友樹
,
山口 智彦
,
深水 秀一
1浜松医療センター 形成外科
キーワード:
ドレナージ
,
IgG
,
術後合併症
,
洗浄療法
,
肉芽腫
,
乳房形成術
,
サルコイドーシス
,
大量薬物療法
,
Guillain-Barre症候群
,
シリコンゲル
,
静脈内注入
,
アジュバント病
,
胸部CT
,
神経伝導速度
Keyword:
Granuloma
,
Sarcoidosis
,
Nerve Conduction Studies
,
Therapeutic Irrigation
,
Mammaplasty
,
Infusions, Intravenous
,
Immunoglobulin G
,
Postoperative Complications
,
Drainage
,
Silicone Gels
,
Guillain-Barre Syndrome
pp.554-560
発行日 2020年5月10日
Published Date 2020/5/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2020276486
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69歳女。四肢麻痺、構音障害を主訴とした。先行感染の既往はなく、入院時検査、末梢神経伝導検査では脱髄型Guillain-Barre症候群(GBS)の診断基準を満たしていたが、GBSに対する治療効果は認めなかった。再度診断を見直し、ぶどう膜炎の既往、血清リゾチームの上昇、ツベルクリン反応の陰性化、ならびにFDG-PET検査で右腋窩リンパ節にFDGの集積を認めたことから、サルコイドーシスの診断に至ったが、胸部CTで両側乳房に乳房増大術後の変化を発見した。再度の問診で液状シリコン注入による乳房増大術の既往が判明したことからヒトアジュバント病を強く疑い、両側乳房内異物摘出術を行ったところ、術後はADLが劇的に改善し、アジュバント誘発自己免疫疾患診断基準の大基準を満たした。
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