特集 美容医療の合併症から学ぶ[3]-乳房増大術ほか-
アクアフィリング🄬による乳房増大術後の合併症の1例
佐藤 兼重
1
,
金 佑吏
1川崎幸病院 形成外科・美容外科
キーワード:
ドレナージ
,
MRI
,
術後合併症
,
超音波診断
,
生検
,
洗浄療法
,
乳房形成術
,
乳房疾患
,
肉芽腫-異物
,
腫脹
,
Polyacrylamide
,
充填材
Keyword:
Therapeutic Irrigation
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Granuloma, Foreign-Body
,
Mammaplasty
,
Ultrasonography
,
Postoperative Complications
,
Drainage
,
Breast Diseases
,
Biopsy
,
Polyacrylamide
pp.534-538
発行日 2020年5月10日
Published Date 2020/5/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2020276483
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50歳女。右側乳房膨隆および乳房下の巨大腫瘤を主訴とした。約20年前に異物注入による乳房増大術既往があり、初診時には右乳房の膨隆と乳房尾側に右乳房組織との連続性を有する巨大腫瘤(約10×15cm)を認め、超音波検査では右乳房尾側の腫瘤は注入物質の尾方への流れ出しと診断された。生検の病理診断は異物肉芽腫であり、腫瘤摘出を試みたが、腫瘤壁の破損により液状を主とした米ぬか様物質が大量に流出したため、厚い被膜に被われた腫瘤を一塊に摘出し、洗浄した。病理組織学的検査では腫瘤は無構造物質及び異物肉芽腫を伴う囊腫病変で、注入異物の変性と異物肉芽腫を主体とした非感染性炎症所見であり、術後1年10ヵ月経過時点で著変はみられない。なお、異物の内容分析ではアクリルアミドが検出され、患者の記憶をもとに注入異物はアクアフィリングと判断した。
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