特集 形成外科「チャンピオン」症例集
腹部遊離皮弁によって良好な下垂乳房を再現できた1例
倉元 有木子
1
,
矢野 智之
,
宮下 宏紀
,
吉松 英彦
,
柴田 知義
,
鈴木 明世
,
辛川 領
,
佐官 俊一
1がん研究会有明病院 形成外科
キーワード:
血管外科
,
術後合併症
,
乳房形成術
,
乳房疾患
,
乳房腫瘍
,
乳房切除術
,
内胸動脈
,
吻合術
,
腹壁動脈
,
穿通枝皮弁
,
遊離皮弁
Keyword:
Anastomosis, Surgical
,
Mammary Arteries
,
Mastectomy
,
Mammaplasty
,
Vascular Surgical Procedures
,
Postoperative Complications
,
Breast Diseases
,
Breast Neoplasms
,
Epigastric Arteries
,
Perforator Flap
,
Free Tissue Flaps
pp.26-30
発行日 2021年1月10日
Published Date 2021/1/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2021131237
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症例は47歳女性で、左乳房腫瘤を主訴とした。左乳癌に対して左乳房全摘術、センチネルリンパ節生検とティッシュ・エキスパンダー(TE)挿入術を行い、健側乳房に約2cm下垂があったため、TEの留置位置の下縁は健側の乳房最下点とした。術後10ヵ月が経過し、皮膚拡張が十分な時点で深下腹壁動脈穿通枝皮弁による乳房再建術を行い、皮弁挙上と同時に臥位のままで胸部皮膚のエンベロープ形成を行う方法を工夫した。内胸動静脈剥離の前にpredictive contouringとしてアンカリングとLateral tissue advancementを行った。その結果、皮弁はすべて生着し、術後6ヵ月時点でほぼ左右対称性の乳房形態が維持されていた。下垂乳房例でも種々のテクニックを用いることで健側乳房に対するtouch up surgeryを行うことなく左右対称性が得られると考えられた。
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