投稿論文 原著
当院におけるNPWT中止例の検討
中林 容
1
,
坂本 道治
,
松浦 喜貴
,
荻野 秀一
,
齊藤 晋
1京都大学医学部附属病院 形成外科
キーワード:
壊死
,
手術創離開
,
術後痛
,
滲出液と漏出液
,
診療拒否(患者側)
,
浮腫
,
皮膚移植
,
皮膚潰瘍
,
皮膚疾患
,
瘻孔
,
機器機能不全
,
術後感染症
,
創傷被覆材
,
陰圧閉鎖療法
Keyword:
Edema
,
Equipment Failure
,
Exudates and Transudates
,
Fistula
,
Skin Ulcer
,
Surgical Wound Dehiscence
,
Skin Diseases
,
Skin Transplantation
,
Treatment Refusal
,
Necrosis
,
Pain, Postoperative
,
Negative-Pressure Wound Therapy
pp.80-88
発行日 2020年1月10日
Published Date 2020/1/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2020240136
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当院で行った陰圧閉鎖療法(NPWT)について、合併症で中止した症例について調査した。2015年4月~2018年7月に、NPWTを用いて治療した58症例(男性30例、女性28例、平均60歳)を対象とした。創傷では潰瘍25例、部位では下肢18例が最も多かった。NPWTの総施行期間は平均17.7日で、NPWT終了後の治療で最も多かったのは、保存治療30例であった。治療中に合併症となり、中止となった症例は58例中25例で、主な原因は感染が10例と最も多く、うち、胸部および臀部がそれぞれ4例で、胸部の4例は、全例乳癌術後の創部トラブルであった。NPWT中止後は、十分な洗浄と適宜デブリードマンを行い、抗菌外用剤に変更し、抗生剤の全身投与を行った。投与後は、全例で感染は鎮静化し、重篤化した症例は認められなかった。また、7例でフィルム貼付部に皮膚障害が生じたが、使用した機種別ではPICO創傷治療システム(PICO)が4例と最も多かった。中止時の使用機種について、PICOの割合が11例中8例と最も大きかった。
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