特集 血管炎・血行障害
皮下深部解離性血腫の1例
岩名 沙奈恵
1
,
岡本 恵芽
,
西村 英哉
,
田中 哲司
,
春原 晶代
1聖霊病院 皮膚科
キーワード:
プロトロンビン時間
,
壊死
,
血腫
,
X線CT
,
皮膚移植
,
皮膚疾患-下肢
,
貧血
,
赤血球輸血
,
国際標準化比
,
Menatetrenone
,
創傷被覆材
,
陰圧閉鎖療法
,
赤血球濃厚液
Keyword:
Anemia
,
Hematoma
,
Leg Dermatoses
,
Necrosis
,
Prothrombin Time
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Skin Transplantation
,
Erythrocyte Transfusion
,
International Normalized Ratio
,
Negative-Pressure Wound Therapy
,
Menatetrenone
pp.528-532
発行日 2016年4月1日
Published Date 2016/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016280951
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症例は83歳女性で、屋内で転倒し、左下肢を打撲し、左下腿に疼痛を伴う皮疹を生じ、9日目に受診した。単純CTで左下腿皮下に広範な高吸収域を認めた。プロトロンビン時間-国際標準比(PT-INR)が著明に延長していたため、ワルファリンカリウムを中止し、メナテトレイン20mgを2日にわたり2回投与した。重度の貧血に対し、輸血(照射赤血球濃厚液計4単位)を行った。2日後、貧血は改善し、PT-INRが正常化したため、局所麻酔下に血腫除去術を行った。除去後の皮膚欠損部に対し、局所陰圧閉鎖療法を行い、21日間継続して良好な肉芽が形成された。その後、ポリウレタンフォームドレッシングと壁面吸引を用い陰圧閉鎖を継続した。残存する潰瘍部に対し、入院36日後、左大腿後面から採皮し、Thiersch植皮術を施行した。一部で皮膚の脱落を認めたが、概ね生着した。入院51日後に亜急性病棟へ転棟し、リハビリを継続し、入院103日後に退院した。
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