投稿論文 症例
骨露出部に分層植皮を行った後、放射線照射を施行した1例
大島 梓
1
,
東野 琢也
,
福永 豊
1国立がん研究センター東病院 形成外科
キーワード:
術後合併症
,
舌腫瘍
,
デブリードマン
,
皮膚移植
,
皮膚疾患
,
アジュバント放射線療法
,
陰圧閉鎖療法
Keyword:
Tongue Neoplasms
,
Skin Diseases
,
Skin Transplantation
,
Postoperative Complications
,
Debridement
,
Radiotherapy, Adjuvant
,
Negative-Pressure Wound Therapy
pp.488-494
発行日 2020年4月10日
Published Date 2020/4/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2020228434
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症例は50歳男性で、舌腫瘤を主訴とした。頭頸部外科で舌癌(cT3aN2bM0)と診断され、右舌半切、両側頸部郭清、右下顎部皮膚合併切除、気管切開術を施行した。形成外科で遊離前外側大腿皮弁を2皮島にして舌と皮膚欠損部の再建を行う予定であったが、穿通枝が1本のみであったため、下顎部皮膚欠損部に対しては下顎裏面に配置した外側広筋を翻転させ下顎骨を被覆し、その上に分層植皮を行った。術後皮膚欠損部に充填した筋体が壊死したためデブリードマンを施行し、骨膜のない下顎骨下縁を露出した。術後25日目に下顎骨を削り、陰圧閉鎖療法を行うとすべてが肉芽で覆われ、術後39日目に分層植皮術を施行した。植皮は80%ほど生着し、骨露出面は植皮片と肉芽ですべて被覆され、術後63日より放射線照射を全66Gy施行した。4年経過して再発・転移なく、放射線照射の有害事象は急性期の皮膚発赤が生じたのみであった。
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