投稿論文 症例
頭部有棘細胞癌に脂腺癌が合併した1例
櫻井 裕章
1
,
覚道 奈津子
,
森本 尚樹
,
日原 正勝
,
益岡 弘
,
清原 隆宏
,
楠本 健司
1関西医科大学附属病院 形成外科
キーワード:
腫瘍-多発性原発
,
生検
,
頭皮疾患
,
皮膚移植
,
皮膚腫瘍
,
扁平上皮癌
,
免疫組織化学
,
脂腺癌
Keyword:
Skin Neoplasms
,
Scalp Dermatoses
,
Adenocarcinoma, Sebaceous
,
Skin Transplantation
,
Immunohistochemistry
,
Neoplasms, Multiple Primary
,
Biopsy
,
Carcinoma, Squamous Cell
pp.482-487
発行日 2020年4月10日
Published Date 2020/4/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2020228433
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症例は85歳女性で、頭頂部皮膚腫瘍を主訴とした。10年前より徐々に拡大し、皮膚科の生検にて脂腺癌と診断された。CTでは腫瘍の周囲の骨に目立った溶骨性変化や硬化像は認めず、頸部リンパ節転移所見や遠隔転移所見も認めなかった。腫瘍辺縁から3cmマージンで帽状腱膜を含めて腫瘍を切除した。病理組織学的検査所見で腫瘍は大部分の有棘細胞癌(SCC)部分と一部の脂腺癌部分で構成され、SCC中央部には癌真珠も認めた。免疫染色で脂腺癌部分ではアディポフィリン陽性・アンドロゲン受容体陽性で、SCC部分はいずれも陰性であった。切除後18日に腹部より全層皮膚採取を行い、分層植皮術を行った。術後6ヵ月経過して再発は認めない。
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