整形外科領域における移植医療
総論 骨関節感染症に対する移植医療 感染を合併した広範囲組織欠損に対する遊離組織移植を用いた治療戦略
四宮 陸雄
1
,
砂川 融
,
横田 和典
,
中島 祐子
,
越智 光夫
1広島大学 大学院整形外科
キーワード:
組織移植
,
移植片生着
,
血管外科
,
抗感染剤
,
骨疾患-感染性
,
骨セメント
,
四肢
,
治療的洗浄
,
デブリードマン
,
腸骨
,
腓骨
,
皮膚移植
,
吻合術
,
治療成績
,
軟部組織損傷
,
臨床プロトコール
,
生理食塩水
,
陰圧閉鎖療法
,
遊離皮弁
,
血管柄付き骨移植
Keyword:
Anastomosis, Surgical
,
Anti-Infective Agents
,
Bone Cements
,
Bone Diseases, Infectious
,
Debridement
,
Clinical Protocols
,
Extremities
,
Fibula
,
Graft Survival
,
Ilium
,
Therapeutic Irrigation
,
Vascular Surgical Procedures
,
Skin Transplantation
,
Tissue Transplantation
,
Treatment Outcome
,
Soft Tissue Injuries
,
Negative-Pressure Wound Therapy
,
Free Tissue Flaps
pp.73-78
発行日 2015年10月10日
Published Date 2015/10/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2016081968
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感染を伴った四肢広範囲組織欠損7例に対する治療法について検討した。受傷部位は上肢5例、下肢2例であった。創部感染に対して複数回の洗浄デブリドマンと陰圧閉鎖療法を行った後、組織再建を行った。菌が陰性化するまでに施行されたデブリドマンの回数は平均2.6回、受傷から再建までの日数は平均70.3日であった。上肢再建では遊離皮弁が4例、鼠径皮弁と遊離血管柄付き腸骨移植が1例、下肢再建では2例とも皮弁付き遊離血管柄付き腓骨移植が用いられた。再建術後の平均経過観察期間は29.7ヵ月で、6例では感染の合併なく、遊離組織は生着した。しかし、上肢再建の1例で皮弁に部分壊死を生じ、その後感染が再燃し、再度デブリドマンや陰圧閉鎖療法を駆使して最終的には植皮で治癒した。
©Nankodo Co., Ltd., 2015