臨床室
尺骨肘頭骨折術後に生じた皮膚壊死を後骨間皮弁術で再建した1例
吉田 直記
1
,
土田 芳彦
,
村上 裕子
,
白川 哲也
,
綾部 真一
,
鈴木 崇史
1湘南鎌倉総合病院 外傷センター
キーワード:
X線診断
,
壊死
,
外科的皮膚弁
,
内固定法
,
骨ワイヤー
,
尺骨骨折
,
治療的洗浄
,
デブリードマン
,
皮膚疾患
,
人工器官機能不全
,
多発性外傷
,
補綴関連感染症
,
陰圧閉鎖療法
Keyword:
Bone Wires
,
Debridement
,
Therapeutic Irrigation
,
Fracture Fixation, Internal
,
Multiple Trauma
,
Necrosis
,
Radiography
,
Prosthesis Failure
,
Surgical Flaps
,
Skin Diseases
,
Ulna Fractures
,
Prosthesis-Related Infections
,
Negative-Pressure Wound Therapy
pp.1185-1187
発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2018005482
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症例は76歳男性で、屋根から転落し、右尺骨肘頭靱帯骨折のほか、頭蓋骨骨折、外傷性クモ膜下出血、急性硬膜下出血、右肋骨骨折、右外傷性血胸を受傷した。保存的治療を行い、右尺骨肘頭骨折に対しK鋼線および軟鋼線を用い、引き寄せ鋼線締結法(TBW)を施行した。創部治癒確認後、自宅退院となり、外来通院していたが術後8週、肘頭部皮膚からK鋼線が突出し、周囲の皮膚軟部組織に感染徴候があったため緊急で創洗浄、デブリードマンを行った。K鋼線は弛みをきたしていたため抜去し、創部を持続陰圧閉鎖療法で管理した。感染は鎮静化したが肘頭部の皮膚欠損は残存し、shoe-lace法で創閉鎖を試みたが縫縮できなかった。デブリードマン後、2週で後骨間皮弁術を施行し被覆した。受傷8ヵ月で骨癒合を確認し、肘関節可動域は伸展-15°、屈曲145°で日常生活に支障はない。
©Nankodo Co., Ltd., 2017