発行日 2014年5月10日
Published Date 2014/5/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2014214428
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33歳男。約25年前より1型糖尿病で加療していたが、加療が不規則となり次第に腎機能低下が進行した。糖尿病性腎症由来の慢性腎不全およびネフローゼ症候群で血液透析導入となり週3回の維持透析を行った。右下肢第5趾・足底部に胼胝が形成され、さらに足背部にも感染徴候を認めた。下肢安静、創部洗浄やドレーン挿入、抗生剤投与といった保存的加療を開始したが、右下肢足背部への壊死が進行し、創部局所での感染は改善を認めず、創傷の治癒傾向もみられなかった。下肢経皮的血管形成術を行い、右前脛骨動脈および右後脛骨動脈をバルーン拡張し、下肢血流の改善をはかり、続けて感染管理および切断範囲の最小化を目的として創部デブリードマン+右下肢前足部切断術を行った。その後、同部位に対して分層植皮術を行った。術後は良好な経過を辿り、植皮片は生着した。リハビリテーションを開始し、車いすへの移乗、短距離自立歩行可能となり退院した。
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