臨床経験
骨粗鬆症におけるデノスマブの有用性の検討
納田 容子
1
,
茶木 修
1
pp.233-239
発行日 2017年2月1日
Published Date 2017/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/spJ.0000000013
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骨粗鬆症の新たな治療薬として2013 年6 月にわが国でデノスマブが発売された。当院で2013 年6 月〜2015 年9 月にデノスマブを開始した27 名の原発性骨粗鬆患者の骨代謝マーカー,骨密度,血清Ca 値の変動について検討した。骨吸収マーカーTRACP-5b は治療開始3 カ月後に78.1%減少し,その後も抑制が持続した。骨形成マーカーP1NP も3 カ月後に74.9%減少し,その後も抑制が持続した。血清Ca 濃度は1 週後と3 カ月後に減少傾向ではあったが,問題となる低Ca 血症は認めなかった。治療開始24 カ月後の骨密度上昇率は腰椎6.6%,大腿骨頸部3.5%,大腿骨近位部3.1%だった。これらの結果は国内外の臨床試験の結果と同様であった。またビスフォスフォネートやテリパラチドの治療歴がある症例においても,デノスマブはさらなる治療効果を認めた。
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