Japanese
English
骨粗鬆症と骨粗鬆症関連骨折に対する診断と治療 Ⅰ.診断と評価
骨粗鬆症診断と治療における既存CTの有用性
-――骨粗鬆症性椎体骨折の既往を見つけ出す
Evaluation and diagnosis of osteoporosis using routine computed tomography scan
髙尾 真一郎
1
,
川崎 啓介
2
,
本田 透
3
,
尾﨑 敏文
1
S. Takao
1
,
K. Kawasaki
2
,
T. Honda
3
,
T. Ozaki
1
1岡山大学整形外科
2香川県立中央病院整形外科
3香川県立中央病院リハビリテーション科
1Dept. of Orthop. Surg., Okayama University Hospital, Okayama
キーワード:
CT
,
osteoporosis
,
osteoporotic vertebral fracture
,
fracture liaison service
Keyword:
CT
,
osteoporosis
,
osteoporotic vertebral fracture
,
fracture liaison service
pp.13-16
発行日 2020年10月31日
Published Date 2020/10/31
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei78_13
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は じ め に
高齢化に伴い,日本の骨粗鬆症患者は1,300万人以上ともいわれているが1),骨粗鬆症治療の導入は十分ではなく,骨粗鬆症によって生じる脆弱性骨折の発生数は増加の一途をたどり,日常生活動作(ADL)の低下や,健康寿命の短縮を生じる要因の一つとなっている.骨粗鬆症治療の導入率を改善させるには,骨粗鬆症患者を見つけ出すための有用なスクリーニングツールが必要である.現在,骨粗鬆症の診断,スクリーニングには二重エネルギーX線吸収法(DXA)に代表される骨密度測定やFracture Risk Assessment Tool(FRAX)をはじめ,いくつかのツールが利用されているが,本研究でわれわれが提案するツールは既存CTである.本稿では,既存CTを利用して骨粗鬆症のスクリーニングを行った結果をもとに,既存CTを骨粗鬆症のスクリーニングツールとして利用することの有用性について紹介する.
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