特集 産婦人科医が担うべき産道裂傷の包括的ケア―女性のQOLを守るために
女性の健康やQOLにかかわる長期的視点
3.産道裂傷後に生じる直腸腟瘻の診断と治療
近藤 曉
1
,
梅澤 裕己
1
,
小川 令
1
A. Kondo
1
,
H. Umezawa
1
,
R. Ogawa
1
1日本医科大学付属病院形成外科・再建外科・美容外科
pp.1097-1102
発行日 2025年11月1日
Published Date 2025/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003572
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直腸腟瘻(RVF)は産道裂傷後に発生し,女性のQOLを著しく損なう。診断は問診・内診・画像検査を組み合わせ,瘻孔の位置や括約筋損傷を評価する。瘻孔が小さい場合には保存的治療を行うが,多くは皮弁や筋皮弁を用いた外科的再建が必要となる。形成外科的には,臀溝皮弁,薄筋皮弁,後大腿皮弁が有用であり,瘻孔の位置や大きさ,再発の有無に応じて選択される。本稿では,各皮弁の特徴と手技を概説し,形成外科医と産婦人科医の連携による最適な治療戦略について述べる。

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