発行日 2011年6月1日
Published Date 2011/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011219011
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25歳女。経腟分娩出産時の会陰切開に伴う直腸腟瘻診断で紹介入院となり、保存的治療が行われたが便失禁は改善せず、疼痛も出現したため手術目的に転科となった。腟口6時方向で腟外縁から奥側に創し開を思わせる瘻孔を認め、腟側瘻孔の長径は約1.5cmので不良肉芽を伴っていた。外肛門括約筋は保たれており、第21産褥日に全身麻酔下に砕石位で閉鎖術を行った。PPH肛門鏡からPean鉗子を挿入して、腟側から腟壁の不良肉芽を喫状切除し、直腸側から経肛門的にZ縫合で直腸粘膜を閉鎖した。腟側から結節縫合で腟壁を2層に分けて縫合し、腟粘膜を埋没の連続縫合で修復し、直腸粘膜を含めて4層の縫合で修復した。創の経過は良好で便失禁は完全に消失し、排便機能もまったく問題なく第4病日に退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2011