特集 産婦人科医が担うべき産道裂傷の包括的ケア―女性のQOLを守るために
産道裂傷の解剖・診断・治療・予防
6.助産院における会陰裂傷予防と分娩支援の実践
岸本 玲子
1
R. Kishimoto
1
1岸本助産院(院長/助産師)
pp.1075-1081
発行日 2025年11月1日
Published Date 2025/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003568
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当院における助産師主導の分娩支援では,フリースタイル分娩や会陰切開の原則回避,妊娠期から分娩後に至る継続的なサポートにより,会陰裂傷率の低減と母体の満足度向上が認められた。さらに,地域連携施設との協働を通じた心理的・身体的支援は,母子の安全と安心を支える基盤となった。本稿では,分娩介助法や急速分娩予防策を分析するとともに,これらの実践が地域モデルとして展開しうる可能性を検討した。その成果は,出産を単なる医療行為にとどめず,母子と家族,地域社会を結ぶ持続可能な文化的営みへと発展させる道を示している。

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