症例
妊娠中子宮頸部細胞診にてASC-USであったが産後の組織診にて子宮頸癌ⅡB期の診断に至った症例
三木 麻紗与
1,2
,
松林 彩
1
,
川口 雄亮
1,3
,
山添 紗恵子
1
,
林 信孝
1
,
田邉 更衣子
1
,
大竹 紀子
1
,
三木 通保
1
,
青木 卓哉
1
M. Miki
1,2
,
A. Matsubayashi
1
,
Y. Kawaguchi
1,3
,
S. Yamazoe
1
,
N. Hayashi
1
,
S. Tanabe
1
,
N. Ohtake
1
,
M. Miki
1
,
T. Aoki
1
1神戸市立医療センター中央市民病院
2京都大学医学部附属病院
3京都桂病院
pp.331-335
発行日 2025年3月1日
Published Date 2025/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003344
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わが国では近年,子宮頸癌発症の若年化と女性の晩婚化・晩産化により妊娠中に浸潤癌と診断されることも少なくない。産婦人科診療ガイドライン―産科編2023では,妊娠中の子宮頸部細胞診がNILM以外であった場合,非妊娠時と同様に精査を行うが,ASC-US・LSILの場合コルポスコピーは分娩後に実施することも許容されると記載されている。前医での妊娠初期の細胞診でLSIL,妊娠28週の再検査でASC-USを認めたが組織診を施行されず,当院受診時には切迫早産に対する産科管理を重視しコルポスコピー・生検組織診を施行せず,産後2週間の組織診で浸潤癌の診断に至った症例を経験した。妊娠中の細胞診と進行期に乖離を認めたがコルポスコピー下診察を行うことにより,早期発見,早期治療ができた可能性があったことが推察された。
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