今月の臨床 頸癌,体癌—診療の現況
予後
25.子宮体癌の新しいFIGO臨床期分類における予後の検討
矢島 正純
1
,
種村 健二朗
1
,
干歳 和哉
1
,
山田 拓郎
1
,
恒松 隆一郎
1
,
近江 和夫
1
,
園田 隆彦
1
Masazumi Yajima
1
1国立がんセンター中央病院婦人科
pp.1460-1462
発行日 1993年12月10日
Published Date 1993/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901554
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FIGOの子宮体癌臨床期別分類が1988年に改訂され1),これまで治療前に行っていたstaging(以下旧分類)が,術後に進行期を決定する,いわゆるsurgical stagingとなった(表1)。この新しい分類(以下新分類)は,術後の病理組織学的検索に基づいて決定されることから,従来の分類に比べ,より正確に予後を反映した分類であると言えるが,後方視的な分類であるため,これから治療を行う場合の術式選択の指標にはならない。
また,進行期決定のために,すべての症例に傍大動脈リンパ節の郭清(生検)を行わなければならないのか,という適応上の問題や技術的な問題も残されており,さらに手術を行わなかった症例については1日分類を適用するなど煩雑な面もある。そこで今回は,過去に経験した子宮体癌(以下体癌)症例について新分類の基準に従って再分類し,その予後を検討すると共に,体癌の治療方針を決めるにあたっての問題点を提起することにしたい。
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