原著
子宮体癌の予後因子と新・旧FIGO進行期分類
板持 広明
1
,
金森 康展
1
,
石原 浩
1
,
皆川 幸久
1
,
紀川 純三
1
,
寺川 直樹
1
Hiroaki Itamochi
1
1鳥取大学医学部産科婦人科
pp.1015-1018
発行日 1993年8月10日
Published Date 1993/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901423
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子宮体癌の筋層浸潤とリンパ節転移および付属器転移との関連について検討を加え,次にFIGO新子宮体癌進行期分類(1988年)に従って症例を再分類し,新・旧両分類を用いた進行期と予後との相関を解析した。筋層浸潤が1/2以上の症例では付属器およびリンパ節への転移頻度は高くなり,傍大動脈リンパ節転移も認められた。新・旧分類による進行期の一致率は,I期で60.0%,Ⅱ期で25.0%,Ⅲ期で60.0%であり,新分類においてのみ進行期と予後との間に相関を認めた。その他の予後因子としては,筋層浸潤,付属器転移ならびにリンパ節転移が累積5年生存率との間に相関を有した。
以上の成績より,子宮体癌進行期判定における新分類の有用性が明らかとなった。また,筋層浸潤1/2未満のり症例では傍大動脈リンパ節郭清の必要性は少ないことが示された。
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