症例
ロボット支援下子宮悪性腫瘍手術後に認めたポートサイトヘルニアの1例
田邉 更衣子
1
,
三木 通保
2
,
馬場 航平
1
,
前田 振一郎
1
,
荻野 敦子
1
,
大竹 紀子
1
,
北村 幸子
1
,
青木 卓哉
1
,
吉岡 信也
3
S. Tanabe
1
,
M. Miki
2
,
K. Baba
1
,
S. Maeda
1
,
A. Ogino
1
,
N. Ohtake
1
,
S. Kitamura
1
,
T. Aoki
1
,
S. Yoshioka
3
1神戸市立医療センター中央市民病院産婦人科
2京都岡本記念病院産婦人科
3大久保病院
pp.620-625
発行日 2025年6月1日
Published Date 2025/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003428
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ポートサイトヘルニア(PSH)はまれな合併症とされているが,腹腔鏡手術の普及に伴い,症例報告が増加している。今回,子宮体癌患者にロボット支援下子宮悪性腫瘍手術を施行し,術後にPSHをきたした1例を経験した。症例は90歳,2妊2産。子宮体癌IA期疑いに対し,ロボット支援下子宮全摘術,両側付属器切除術,大網部分切除術を施行した。術後3日目に嘔気,嘔吐後に腹痛と腹部膨隆を認め,造影CT検査を施行したところ,左側腹部の8mmポート部に嵌頓した小腸を認め,PSHと診断した。ヘルニア嵌頓に対し,同日,腹腔鏡下ヘルニア修復術を施行した。脱出した小腸の壊死を疑う所見は認められず,腸管切除なく,また8mmポート創のすべて筋膜閉鎖を行い手術は終了した。再手術後の経過は良好であり,術後15日目に転院となった。PSH発症リスクが高い症例に対しては,8mmポートに対しても筋膜閉鎖を考慮すべきであると考えられた。

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