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妊娠中のスタチン使用のリスク・ベネフィットを考える
藤岡 泉
1
I. Fujioka
1
1国立成育医療研究センター妊娠と薬センター
pp.309-314
発行日 2025年3月1日
Published Date 2025/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003339
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妊娠中のスタチン使用は,家族性高コレステロール血症(FH)患者における冠動脈疾患予防などの有用性が期待されるが,日本では動物実験の結果を踏まえ妊婦禁忌とされている。一方,米国食品医薬品局(FDA)は2020年に禁忌を撤廃し,高リスク妊婦ではベネフィットがリスクを上回る可能性を示唆した。妊娠初期のスタチン曝露で先天異常リスクの有意な上昇は認められていないが,長期的影響は不明である。スタチン使用を含む妊娠中の治療は,最新のエビデンスを基に,患者との共有意思決定に基づく慎重な対応が求められる。

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