Editorial
薬のリスクとベネフィット
伊藤 澄信
1
1国立病院機構本部医療部研究課
pp.1
発行日 2006年1月1日
Published Date 2006/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100001
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復活したたまごっちに娘と妻がはまっている.5つもあると四六時中,どれかが「ぴよ」と鳴いている.時々どくろのマークが出てくるが,薬を与えるとすぐに元気になる.一般人にとっては薬は人を元気にするものであって,害を及ぼすものではないらしい.
幸い,薬剤の重篤な副作用で患者さんを失ってしまったことはないが,糖尿病治療薬のピオグリタゾン(アクトス(R))による下肢のむくみはよく経験するし,前立腺癌の抗癌剤による全身の浮腫も経験した.PSAが上昇したため抗癌剤が変更された後,左側胸水を伴う全身浮腫が出現した.左側胸水なので癌性胸膜炎と考えてしまったが,胸水からは悪性細胞は検出されず抗癌剤を中止しただけですっかり軽快した.
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