単一施設で施行したロボット支援下仙骨腟固定術に用いるpolypropyleneメッシュとpolytetrafluoroethyleneメッシュの周術期・術後アウトカムにおける比較検討

仙骨腟固定術はメッシュを用いる手術法であるが，全国で使用されるメッシュの種類は統一されておらず，メッシュの違いによる周術期・術後アウトカムの報告はまだない。今回われわれの施設で経験したロボット支援下仙骨腟固定術の周術期・術後アウトカムを後方視的に2種類のメッシュ群に分けて比較した。ガイネメッシュ^®（PP）群とORIHIME^®（PTFE）群では患者背景や骨盤臓器脱（POP）の種類には有意差は認めず，術後再発率の検討においても，自覚的再発はPPメッシュ群とPTFEメッシュ群で9％ vs 12.5％，p＝0.506と有意差を認めず，また他覚的再発でもそれぞれ14.1％ vs 12.5％，p＝0.777と両群間に有意差を認めなかった。治療成績におけるメッシュの評価は困難であるが，再発率においてはメッシュの種類での明確な差はないものと考えられた。