連載 判例にみるジェンダー・10
性同一性障害と性別に関する戸籍訂正
石井 トク
1
1岩手県立大学看護学部
pp.1010-1011
発行日 2001年11月25日
Published Date 2001/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902768
- 有料閲覧
- 文献概要
性同一性障害
日本では,男性,女性の区別は自明であるとして,男女の性を規定する法はない。出生証明書には男か女のいずれかを選択し性別欄に記入するようになっている。しかし,出生時に外性器の形態からは性別を特定することができないことがある。
半陰陽で生まれた子どもは,男女の排尿方法の相違を配慮し,女として育てることが多かった。しかし,親の意向で早い時期に「性の選択」を行なったことについての弊害も表面化してきた。また,その子が発達するにつれ規定した性とは異なる,つまり,本来の性が判明した場合,医学的には手術によって形態的な修復はできるが,その後,戸籍の訂正という法的な問題に直面するようになる。
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.