今月の主題 免疫不全症候群と遺伝子異常
総論
原発性免疫不全症の疾患概念
矢田 純一
1
Jyunichi YADA
1
1東京医科歯科大学
キーワード:
原発性免疫不全症
,
疾患概念
,
責任遺伝子
Keyword:
原発性免疫不全症
,
疾患概念
,
責任遺伝子
pp.527-532
発行日 2009年5月15日
Published Date 2009/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101969
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免疫系は獲得免疫系(B細胞,T細胞,抗体)と自然免疫系(食細胞,樹状細胞,NK細胞,NKT細胞,補体)とに分けられる.そのいずれかの欠陥(ほとんどは遺伝子異常による)によって生体防御不全を呈している状態を原発性免疫不全症という.上記の免疫担当因子は互いに共同して働くので,1つの欠陥は他の2次的欠陥をもたらすし,1つの遺伝子産物の異常が複数の免疫担当因子の欠陥をもたらすこともある.現在,原発性免疫不全症はどの免疫担当因子の欠陥を中心に分類されているか,どの遺伝子の異常によるかという視点や臨床上の便宜という面からも概念を整理すべきであろう.
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