特集 産婦人科医が知っておくべき新生児マススクリーニング
総論
2.拡大新生児マススクリーニング開始までに至る背景,現状と展望
大石 公彦
1
K. Oishi
1
1東京慈恵会医科大学小児科学講座(教授)
pp.643-647
発行日 2024年7月1日
Published Date 2024/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003004
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日本における拡大新生児マススクリーニングは,先天性代謝異常症や内分泌疾患に加え,脊髄性筋萎縮症(SMA)や重症複合免疫不全症(SCID)などの新たな疾患の早期発見を目指して発展してきた。従来に比べて対象疾患が増加し,qPCR法を用いたスクリーニングが導入されているが,自治体によってはこれまで自費負担での実施が求められてきた。拡大新生児マススクリーニングの導入により,新たな対象疾患が早期診断と治療が可能となり,患者の予後も大幅に改善されている。しかし,全国的な普及には課題が残り,公費負担の拡大とスクリーニングの標準化が必要である。拡大NBSの導入は,さらなる健康な発育を支援するための重要なステップである。
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