増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集
血液生化学検査
先天性(代謝)異常のスクリーニング
新生児・乳児のマス・スクリーニング
伊藤 道徳
1
,
黒田 泰弘
1
1徳島大学医学部小児科
pp.260-264
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909826
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検査の目的・意義
疾患のスクリーニングは,その疾患を疑わせる症状を認めるために行われるハイリスク・スクリーニングと,発症前に一般集団の中から患者を発見するマス・スクリーニングとに大別される.全国規模で実施されている新生児・乳児スクリーニングはマス・スクリーニング検査であり,発症前の患者発見と早期治療を目的としている.現在,わが国では,治療せずに放置すると死亡したり,生存しても重篤な後遺症を残すが,早期発見・早期治療によりスクリーニングの効果が期待される先天性(代謝)異常6疾患(表1),および白血病,脳腫瘍についで多い小児癌である神経芽細胞腫を対象として,検査費用公費負担による新生児・乳児マス・スクリーニング検査が実施され,治療効果を上げている1).
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