特集 産婦人科医必携 最新の細菌・真菌感染症に対する薬の使い方と留意点Ⅰ
各論
2.淋菌感染症の薬物療法と妊娠時の母児への薬の使い方
河村 省吾
1
,
齋藤 渉
1
,
下屋 浩一郎
1
S. Kawamura
1
,
W. Saito
1
,
K. Shimoya
1
1川崎医科大学産婦人科学
pp.33-36
発行日 2024年1月1日
Published Date 2024/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002828
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淋菌感染症は,淋菌感染による性感染症である。性交や性交類似行為で感染し,女性では子宮頸管炎を引き起こし,不妊症の原因となるとともに産道感染によって新生児に淋菌結膜炎を引き起こすことから,周産期領域においても重要な感染症である。淋菌に関しては薬剤耐性が大きな課題となっている。淋菌感染症に対する薬物療法はセフトリアキソン1gの静注が第一選択,スペクチノマイシン2gの筋注が第二選択となっている。スペクチノマイシンはアミノグリコシド系抗菌薬であることから妊娠中は投与禁忌となっている。新生児淋菌結膜炎に対してセフメノキシムの点眼療法とセフトリアキソンの全身投与を並行して行うが,セフトリアキソンの投与にあたっては高ビリルビン血症の低出生体重児,新生児に対して禁忌となっている。
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