増刊号 産婦人科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド
婦人科編
I 婦人科感染症・類縁疾患
淋菌感染症
野口 靖之
1
1愛知医科大学産婦人科学講座
pp.28-30
発行日 2014年4月20日
Published Date 2014/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103661
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疾患の概要
淋菌は,子宮頸管炎やバルトリン腺炎だけでなく子宮内膜炎,卵管炎,骨盤内炎症性疾患(pelvic inflammatory disease : PID),肝周囲炎を引き起こし,卵管不妊や卵管妊娠,Fitz-Hugh-Curtis症候群(FHCS)の原因になる.このため,妊娠を控えた若年女性では,クラミジア感染症と同様に早期診断が重要となる.また,淋菌は,オーラルセックスなど性行動の多様化に伴い咽頭炎,直腸炎,結膜炎を引き起こすため,性器以外の自覚症状についても問診を行う.さらに,妊婦が淋菌性子宮頸管炎に罹患すると産道感染を引き起こし,新生児に結膜炎(新生児膿漏眼)を発症する.新生児膿漏眼は,現在稀であるが,治療が遅れ角膜穿孔を引き起こすと失明に至る.
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