特集 産婦人科医必携 最新の細菌・真菌感染症に対する薬の使い方と留意点Ⅰ
各論
1.細菌性腟症に対する帯下Gram染色標本検鏡の有用性と投薬法
島野 敏司
1
S. Shimano
1
1町立中標津病院産婦人科
pp.21-31
発行日 2024年1月1日
Published Date 2024/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002826
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1991年4月より妊娠初診時に細菌性腟症のスクリーニング・治療を実践してきた。絨毛膜羊膜炎が原因と推察される流産,早産をほとんど経験しなくなり,分娩結果は良好であった。しかし,2000年のCarey JCらの論文(NEJM 342:534-540)発表以来,妊娠時BVスクリーニング・治療は,推奨されなくなった。北海道において,BV治療について研究,啓蒙を続け,2019年4月より公費による妊娠時BVユニバーサルスクリーニング・治療の実現に至った。2020年,2021年度の北海道の分娩結果は,超早産率が日本平均を大きく下回っており,この過程を報告した。妊娠初診時BVユニバーサルスクリーニング・治療によって日本全体で早産予防対策を行う時期と考える。
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