特集 妊娠に影響する感染症の最新知識
1.梅毒
太田 創
1
,
山田 秀人
2
,
菊池 航紀
3
,
福士 義将
1
,
和田 真一郎
1
H. Ota
1
,
H. Yamada
2
,
K. Kikuchi
3
,
Y. Fukushi
1
,
S. Wada
1
1手稲渓仁会病院産婦人科
2同 不育症センター/ゲノム医療センター
3同 感染症科
pp.657-662
発行日 2023年7月1日
Published Date 2023/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002603
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梅毒は827人を数えた2011年以降は増加へ転じ,2022年は13,226人に急増した。梅毒の年齢分布は20歳から30歳台の若年女性にピークを認めており,2014年以降は異性間性交渉での感染経路が増加している。2019年から梅毒の届出基準と届出票が改正され,妊娠の有無や直近6カ月以内の性風俗産業従事歴・利用歴の有無も記載が求められている。2021年の妊娠期梅毒は184例で,2022年の先天梅毒は20例だった。長時間作用型ペニシリン製剤の筋注が2022年からわが国でも使用可能となり,先天梅毒の予防効果が期待されるが,Jarisch-Herxheimer反応による発熱や流早産のリスクへの注意が必要である。
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