特集 妊娠に影響する感染症の最新知識
2.妊婦のB型肝炎ウイルス感染
有阪 高洋
1
,
大西 俊彦
1
,
眞島 雄一
1
,
飯島 誠
1
,
室久 俊光
2
,
入澤 篤志
1
T. Arisaka
1
,
T. Oonishi
1
,
Y. Majima
1
,
M. Iijima
1
,
T. Murohisa
2
,
A. Irisawa
1
1獨協医科大学消化器内科
2足利赤十字病院内科
pp.663-668
発行日 2023年7月1日
Published Date 2023/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002604
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B型肝炎は妊娠中に母親から胎児に感染する可能性があり,B型肝炎ウイルス(HBV)のDNA量が高い母親ほど胎児への感染率が高くなるとされている。妊婦におけるB型肝炎の感染予防は世界的にみても非常に重要な課題である。2022年6月に日本肝臓学会のガイドラインにおいて妊婦におけるテノホビル投与の一文が追記されたことを強調したい。大きく変わった点として妊婦においてDNA量のみを基準として妊娠28週以降にテノホビルの内服を開始し,出産後は経過に注意しつつ内服終了するという新しい用法が推奨されたということである。垂直感染のリスクをさらに下げることが期待される。
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