特集 絨毛性疾患の最新トピックス
絨毛性腫瘍(GTN)のトピックス
6.侵入奇胎/low risk GTNの診断と治療
小田 結加里
1
,
新美 薫
1
,
梶山 広明
1
Y. Oda
1
,
K. Niimi
1
,
H. Kajiyama
1
1名古屋大学産婦人科
pp.137-143
発行日 2023年2月1日
Published Date 2023/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002458
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
侵入奇胎は胎盤の栄養膜細胞(トロホブラスト)を発生母地とする絨毛性疾患の1つであり,絨毛性腫瘍においては約85%を占める。ほとんどが胞状奇胎後に発症し,胞状奇胎除去術後6カ月以内に発症することが多い。侵入奇胎の多くは妊孕性温存の観点から組織学的診断に至らないため,臨床的に診断されて化学療法のみで治療される。絨毛癌などの他の絨毛性腫瘍と鑑別して最適な治療レジメンを選択することが重要である。hCG値がカットオフ値以下に低下してから1~3コース化学療法を追加する必要があり,寛解率はほぼ100%である。本稿では,鑑別診断,化学療法の選択,化学療法の実行および寛解判定について,経験も交えて概説した。
Copyright © 2023, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.