グラフ 目で見る解剖—性器系の血管構築
5.侵入奇胎,絨毛癌
川島 吉良
1
1浜松医科大学産婦人科学教室
pp.1016-1018
発行日 1989年11月10日
Published Date 1989/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208099
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絨毛性疾患の骨盤血管造影法(PAG)
絨毛性疾患のPAG像を連続撮影で観察すると,まず動脈相初期に子宮動脈の充盈に始まり,ついで子宮内血管が造影されてくる。このとき動静脈短絡artcrio-venous shuntにより,動脈相で既に静脈像が出現する。次第に静脈相になり,瀰漫性の血管像となり,間もなく消失する。この間僅か数秒である。この間に種々の特徴ある所見が得られる。すなわち,不規則に蛇行怒張した子宮血管,不整な幅で密に増生した血管像hypervascularity,細血管の層状増生よりなる血管床の形成tumor bed,動静脈短絡像arterio-venous shunt,腫瘤内貯留像pooling,tumor stain,不規則星芒状の斑状陰影像intervillous spaceなどが見られる。
これら陰影塊の周囲に種々の大きさの環状の陽影translucencyが見られるものもある。
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