原著
Low Risk絨毛性疾患(侵入奇胎・臨床的侵入奇胎)に対する手術併用療法の意義
松井 英雄
1
,
小林 治
1
,
高見沢 裕吉
1
Hideo Matsui
1
1千葉大学医学部産婦人科教室
pp.847-850
発行日 1987年12月10日
Published Date 1987/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207705
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絨毛性疾患の寛解率は,MTX, Act-Dを代表とする化学療法や低単位hCGの普及などにより年々向上し,low risk絨毛性疾患では転移の有無によらず100%近い寛解率が報告されている。このような化学療法の進歩により絨毛性疾患ことにlow risk群に対する手術療法の役割は,出血,穿孔などの緊急症例に限られつつある。しかし,手術療法の併用により入院期間,抗癌剤投与量の短縮,再発率の減少を示唆する報告もあり,高齢者,挙児希望のない症例では積極的に手術を施行することも考慮しなければならない。今回1974年から1985年までに当教室で手術したlow risk 60例を対象とし,手術施行時期について検討した。これによると,手術は術前化学療法1コース以下で施行するのが,入院期間,化学療法コース数短縮に最適であると考えられた。
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